岩手の伝統的工芸品「南部鉄器」の歴史や約400年。盛岡城主の南部信直公に由来します。歴代城主は甲州から御鋳物師、次いで京都の御釜師を呼び寄せ、保護したため、「南部釜」は幕府などにも献上され、名声を得ました。その後、茶釜の他に鉄瓶を考案し、現在では南部鉄瓶は代表する工芸品となっています。
盛岡でも南部鉄器を作る工芸士や工房がいくつもありますが、その中で「岩鋳」の創業は明治37(1904)年。伝統の職人の技を継承しつつ、技術の改良と新しいデザインによる多種多様な南部鉄器を発表しています。最近では海外にも輸出され、南部鉄器の「IWACHU」として知られるトップブランドです。
「岩鋳鉄器館」では、職人達の高度な技を見学することができ、本場ならではの品揃えの南部鉄器を買うことができます。また、ギャラリーでは現在活躍中の作家の展示販売、伝統工芸士の作品の展示もしています。
南部鉄器以外にも、エントランスには盛岡を代表する祭りの展示、売店には岩手の名産品、レストランには盛岡名物のわんこそばなどもあって、ここ1ヶ所で盛岡をいろいろと楽しむこともできます。
「南部鉄器」の代表は鉄瓶です。その最大の魅力は、南部鉄瓶で沸かしたお湯でお茶をいれると、一段と美味しくなること。鉄瓶からは、イオン状態になっている鉄分が出ますので、お湯をまろやかにするからです。
また、鉄瓶以外でも、南部鉄器は高度な技術によって作られているため、冷めにくく、温度にムラが出ず、表面に凹凸があるため、焦げ付きにくいという特徴があります。そのため、グリルパンやシチューパンなど、調理器具も人気があります。岩鋳では、南部鉄器の技術を用いてさまざまなキッチン用品やテーブルウェアを作っています。中にはモダンなデザインや、カラフルなものなどもあって大人気です。
岩鋳鉄器館 | 岩手県盛岡市南仙北2-23-9 | |
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http://www.iwachu.co.jp/ | ||
アクセス | お車の場合 | 東北自動車道 盛岡南I.C.より約8分 |
公共交通の場合 | JR盛岡駅より徒歩約15分 | |
入場について | ★予約不要 | 工場見学は予約が必要です |
営業時間 | 売店:8:30〜17:30/レストラン:11:00〜18:00 | |
休日 | 年中無休 | |
施設 | 工場見学 | 作業コーナー:自由見学 |
展示・見学 | 展示室(伝統工芸士の作品展示) | |
売店 | 売店(鉄器、岩手の名産品) Art Gallery(作家作品の展示販売) |
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飲食 | レストラン |
岩鋳鉄器館のある盛岡駅前から、人気の観光地「花巻温泉」までは車で約30分です。宮沢賢治が愛した土地であり、彫刻家の高村光太郎も晩年をこの地で過ごしました。
花巻には、寺社仏閣や史跡などもさまざまありますが、特に有名なものに、ユネスコ無形文化遺産に登録された「大償神楽」「早池峰神楽」があります。「神楽の館」では、1月の〈舞い始め〉、4月の〈春の舞〉、9月の〈例大祭〉、12月の〈舞納め〉の時に見ることができますので、ぜひご覧になってください。
また、9月は有名な「花巻まつり」です。400年以上の歴史があり、美しい山車や郵送な御輿、古来ゆかしき「鹿踊り」や「神舞」など、見どころが満載です。